フェンダーのムスタングというベースに興味があっても、弾きこなせるか不安ですよね。
動画やSNSで見るととても魅力的に映る一方で、実際に購入したあとに「思っていたのと違った」と後悔したくはないものです。
特に、初めてのベース選びや高額な買い物であればあるほど、その不安は大きくなるでしょう。
そこで本記事では、ムスタングベースの「欠点」にしっかり向き合いながら、それでも多くの人に選ばれている理由をわかりやすくご紹介します。
読むことで、ムスタングベースのメリットとデメリットのバランスを自分なりに判断できるようになります。
ぜひ最後までお読みいただき、ムスタングベースがあなたに合っているかどうか見極めてください。
- ムスタングベースの欠点と魅力を客観的に理解できる
- 自分に合っているかどうかを判断する材料が得られる
- 初心者でも後悔しない選び方や活用法がわかる
- 購入・中古・改造の具体的なポイントを把握できる
ムスタングベースの欠点を考察

フェンダーのムスタングベースは、可愛らしい見た目と弾きやすさから人気の高いモデルです。
しかし、購入を検討するなら、良いところだけでなく「欠点」もしっかり知っておきたいところです。
ここでは、ムスタングベースを選ぶ前に知っておくべき短所について、やさしく解説していきます。
- ムスタングベースの主な欠点
- ムスタングベースの魅力
- ムスタングベースのレビューを調査
- Squierのムスタングベースの評判は?
- ムスタングベースの使用アーティストは?
- ムスタングベースのビンテージは高い?
ムスタングベースの主な欠点
ムスタングベースは魅力がたくさんある一方で、他のベースと比べると気になる点もいくつかあります。
楽器選びで後悔しないためにも、どんなデメリットがあるのかを具体的に見ていきましょう。
低音が物足りないことがある
ムスタングベースは「ショートスケール」と呼ばれる短めのネックが特徴です。
そのため、通常のロングスケールのベースに比べて、音の重たさや迫力が少し控えめに感じることがあります。
特にロックや重低音が強いジャンルを演奏したい人にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。
ポップスや歌モノには合いますが、ズシッと響くような低音を求めているなら、他のベースも検討する価値があります。
弦のテンションが緩く感じる
ショートスケールの特徴として、弦の張り具合(テンション)がゆるく感じられることがあります。
指で弾いたときに「たわむ」ような感覚があり、慣れていないと弾きにくいと感じる人もいます。
テンションがゆるいと、ピッキングが安定しづらかったり、しっかりしたアタック感が出にくいことも。
ただ、逆に言えば指が疲れにくく、やさしい力で押さえられるので、初心者にとってはメリットにもなります。
音作りの幅が狭い
ムスタングベースはシンプルな構造をしていて、トーンやボリュームのコントロールも最小限です。
そのため、多彩な音色を細かく作り込むのには向いていません。
ジャンルによって音を変えたり、エフェクターと組み合わせて独自のサウンドを作りたい人にとっては、少し物足りないと感じることもあるでしょう。
逆に、音作りに迷いがちな初心者にとっては、むしろ扱いやすいとも言えます。
高音域のピッチが不安定
ムスタングベースはスケールが短いため、特に高音域で音のズレ(ピッチ)が目立ちやすくなります。
しっかりチューニングしていても、指の押さえ方や力加減で音程が微妙に変わってしまうことがあります。
バンドで演奏する際や録音など、細かい音程の安定感が求められる場面では注意が必要です。
これは楽器の構造上の特徴であり、プレイスタイルや経験によってカバーできる部分もあります。
リセールバリューは低い
ムスタングベースは新品でも他のモデルより価格が手ごろな分、中古市場での再販価格もあまり高くはありません。
「買ったけど自分に合わなかったから売ろう」と思っても、思ったより値段がつかないことがあります。
特に安価なSquier(スクワイヤー)ブランドは、人気があっても再販価格が低くなりがちです。
長く使うつもりで買うのか、それとも一時的な入門機として使うのかを考えて選ぶことが大切です。
ムスタングベースの魅力

ムスタングベースには欠点もありますが、それを上回るほどの魅力もたくさんあります。
見た目の可愛さや、弾きやすさ、扱いやすさなど、初心者からプロまで幅広く愛されている理由を見ていきましょう。
手の小さい人でも押さえやすい
ムスタングベースはネックが短めの「ショートスケール」設計です。
そのため、フレットの間隔が狭く、指を大きく広げなくても無理なく押さえることができます。
手の小さい女性や、これからベースを始める高校生にも優しい作りで、長時間練習しても疲れにくいのが嬉しいポイントです。
特にコードを押さえるときや、素早いフレーズを弾くときに、その恩恵を強く感じられるはずです。
独特の柔らかくてウォームな音色
ムスタングベースは、まろやかで優しい音色が特徴です。
太すぎず、角が立ちすぎないサウンドは、ポップスや歌モノ、ジャズなどで自然に楽曲に溶け込みます。
この「ウォーム」と表現される音の温かみは、他のベースにはなかなかない個性です。
力強さよりも、柔らかく包み込むような音を求める人にとって、ムスタングベースは理想的な選択と言えるでしょう。
軽量・コンパクトで取り回しが抜群
ムスタングベースは、通常のベースに比べてボディが小さく、重量も軽めに作られています。
立って演奏しても肩に負担がかかりにくく、座って練習するときも体にフィットして扱いやすいです。
ライブで動き回るときや、電車移動でスタジオに行くときにも、軽くてコンパクトなサイズは大きな武器になります。
楽器を持ち歩くのが不安な初心者にも、安心しておすすめできるモデルです。
シンプルで初心者でも扱いやすい
ムスタングベースはコントロール部分がとてもシンプルです。
基本的にはボリュームとトーンのつまみだけで、音の調整に迷うことがありません。
初心者にとっては、まず「弾くこと」に集中できるので、練習がスムーズに進みやすいのが魅力です。
余計な機能が少ない分、操作に戸惑わず、はじめての1本としても安心して使うことができます。
ヴィンテージライクなルックス
ムスタングベースのデザインは、60年代から続くクラシックなスタイルを受け継いでいます。
丸みのあるボディや、レトロ感のあるピックガードなど、見るだけでワクワクするようなルックスが特徴です。
カラーバリエーションも豊富で、他のベースにはない個性的なカラーが多く、ファッション感覚で選べるのも嬉しいポイントです。
ステージに立ったときに「可愛い!」と注目されること間違いなしのデザインです。
ムスタングベースのレビューを調査

実際にムスタングベースを使っている人の声を知ることで、自分に合っているかどうかをイメージしやすくなります。
ここでは、ネット上のレビューやユーザーの感想をもとに、良い評価と辛口な評価の両方をご紹介します。
良い評価
ムスタングベースに対する良い評価として最も多く見られるのは、「とにかく弾きやすい」という点です。
特に手が小さい人や、これからベースを始める初心者にとって、ショートスケールの設計は魅力的に映っているようです。
「長時間練習しても指が疲れにくい」「ネックが短いから、コードチェンジがスムーズにできる」という声が多く寄せられています。
また、音についても「ウォームで優しい」「他のベースにはない独特の雰囲気がある」と高く評価されています。
ポップスやシティポップなど、音のなじみやすさを重視するジャンルにぴったりという意見が多く見られます。
さらに、軽くて持ち運びしやすいという点もポイントです。
「スタジオやライブへの移動がラク」「肩や腰への負担が少ないので安心」といった声も、ムスタングベースならではのメリットとして挙げられています。
見た目に関しても「レトロで可愛い」「ビジュアルが気に入って即買いした」というファンの声が多数あり、総じて満足度の高いレビューが目立ちます。
辛口評価
一方で、辛口なレビューも存在します。
多く見られるのは「低音が軽くて物足りない」「迫力に欠ける」といった音に対する不満です。
特にロックやメタルなど、重厚なサウンドを求めるプレイヤーからは、「もっとパワーがほしい」という声が上がっています。
また、「弦のテンションが緩くて弾きにくい」「ピッチが不安定に感じる」といった指摘も少なくありません。
ショートスケールの特性に慣れていない人にとっては、弾き心地に違和感があるようです。
さらに、音作りに関しても「シンプルすぎて調整の幅が狭い」「トーンを変えても大きな変化が感じられない」という意見がありました。
このあたりは、細かい音作りをしたい中級者以上にとっては、少し物足りなさを感じるポイントかもしれません。
最後に、リセールバリューに関する不満も見受けられます。
「数ヶ月しか使ってないのに、思ったより安くしか売れなかった」という声からも、購入前にしっかり検討する重要性がうかがえます。
Squierのムスタングベースの評判は?

ムスタングベースにはFender製だけでなく、より手頃な価格で購入できる「Squier(スクワイヤ)」ブランドのモデルもあります。
Squierのムスタングベースは、特に初心者や学生から高い支持を集めています。
その理由のひとつが、コストパフォーマンスの高さです。
「3万円台でこのクオリティはすごい」「最初の一本として選んで大正解だった」というレビューも多く見られます。
音質に関しても、「柔らかいサウンドでポップスにぴったり」「フェンダーと比べても思ったほど差がない」と好意的な意見が寄せられています。
ただし、一部には「ピックアップの出力が弱い」「細かい作り込みにバラつきがある」といった声もあります。
これは価格を考えれば仕方ない部分とも言えますが、気になる人は購入前に実機を試してみるのがおすすめです。
全体として、Squierのムスタングベースは「予算を抑えつつ、しっかりとしたベースがほしい」という人にとって、非常に魅力的な選択肢です。
特に最初の1本として使い、そこから自分好みにカスタマイズしていく楽しみもあります。
ムスタングベースの使用アーティストは?

ムスタングベースは、その個性的なサウンドとビジュアルで、多くの有名アーティストたちに愛用されています。
その中でも特に知られているのが、ニルヴァーナのベーシスト、クリス・ノヴォセリックや、ローリング・ストーンズのビル・ワイマン、ラモーンズのディー・ディー・ラモーンといったアーティストです。
国内でも、女性アーティストを中心に使用者が増えており、たとえばシンガーソングライターのあいみょんがライブで使用していたことも、若い世代の間で注目を集めました。
また、ムスタングベースはショートスケールで取り回しがしやすいため、ギタリストがサブで使うベースとして選ばれることもあります。
ステージ映えするレトロな見た目も、アーティストにとっては大きな魅力のひとつです。
演奏性だけでなく、ファッション性や個性を大事にするミュージシャンにとって、ムスタングベースは「自分らしさ」を表現できる楽器なのです。
そのため、幅広いジャンルで支持されているのが、このベースのユニークなポイントです。
ムスタングベースのビンテージは高い?

ムスタングベースは1960年代後半に登場して以来、長い歴史を持つモデルです。
そのため、当時のオリジナルモデルや状態の良い個体は、ヴィンテージベースとして市場で高く評価されています。
特に1960年代製のムスタングベースは、現在のモデルにはない「味のある音色」や「経年変化による風合い」が評価され、コレクターからの人気も高いです。
価格としては、20万円~40万円程度で取引されることが多く、状態や仕様、カラーによってはさらに高値になることもあります。
ただし、ヴィンテージ品には経年によるパーツの劣化や修理履歴がある場合もあり、初心者が手を出すにはハードルが高い部分もあります。
「見た目や音が気に入った」という理由で購入する人もいますが、メンテナンスや取り扱いには一定の知識と注意が必要です。
憧れの一本として、いつか手に入れたいと思わせてくれる存在ですが、最初の1本にはリスクが高いため、慎重に選ぶことが大切です。
ムスタングベースの欠点と魅力

ムスタングベースにはいくつかの欠点がある一方で、たくさんの魅力も詰まっています。
「買ってよかった」と思えるかどうかは、自分の演奏スタイルや好みに合っているかにかかっています。
ここでは、どんな人にムスタングベースが向いているのかを具体的に見ていきましょう。
- ムスタングベースが向いている人
- おすすめのムスタングベース5選
- ムスタングベースの中古を買うポイント
- ムスタングベースを改造するコツ
- ムスタングベースにはフラットワウンドが合う?
- ムスタングベースにはどんなケースが良い?
- ムスタングベースの試奏体験談
ムスタングベースが向いている人
すべてのベースがすべての人に合うわけではありません。
ムスタングベースもまた、特定の人に特にフィットする特徴を持っています。
ここからは、どんな人にこのベースがぴったりなのか、詳しくご紹介していきます。
女性や手が小さい人
ムスタングベースは「ショートスケール」と呼ばれる短めのネックを採用しています。
そのため、手が小さい人や指の力に自信がない人でも、無理なく押さえることができます。
ネックが短いことでフレット間の距離も狭くなり、指が届きやすく、ポジション移動もしやすくなります。
「普通のベースだと指がつりそうになるけど、ムスタングならラクに弾けた」という声も多いです。
とくに女性や中高生のように体格が小柄な方には、ムスタングベースは非常に相性のいい楽器といえるでしょう。
これからベースを始める人
ムスタングベースは構造がシンプルで扱いやすく、ベース初心者にもおすすめの一本です。
操作系も最小限で、音作りに迷うことが少なく、「まずは演奏に慣れること」を優先できます。
また、軽量なので長時間の練習でも疲れにくく、初心者が苦手としがちな「練習の継続」にも有利です。
「続けられるか不安だけど、ムスタングなら楽しめた」という初心者の声もよく聞かれます。
音も丸く優しいので、初心者がいきなり大音量で驚くようなことも少なく、安心して取り組めるでしょう。
ポップスや歌ものが好きな人
ムスタングベースのサウンドは、ふわっと丸みがあり、他の楽器と自然になじむ特徴があります。
そのため、歌モノのように「ボーカルが中心」の音楽を好む人にとって、理想的な選択肢です。
ゴリゴリと前に出るような低音というよりは、バンド全体をやさしく支えるような音色です。
「自分は前に出るより、音楽全体を支える役割が好き」という人に向いています。
特にポップス、シティポップ、アコースティック系のバンドでは、ムスタングの音が絶妙にフィットします。
ベースの主張が強すぎず、雰囲気を崩さないところが大きな魅力です。
セカンドベースを探している人
すでに1本ベースを持っていて、2本目として違うタイプのベースが欲しいという人にも、ムスタングはぴったりです。
ロングスケールのベースに比べて音のキャラクターがまったく異なるため、演奏するジャンルや曲によって使い分ける楽しさがあります。
また、ライブや録音で音の雰囲気を変えたいときに、サブとして持っておくと重宝するモデルです。
「いつもと違う感覚で演奏してみたい」「楽曲の雰囲気を変えたい」といったニーズにも応えてくれます。
特にギタリストがベースも弾く場合、ショートスケールのムスタングはとても自然に扱える点も評価されています。
宅録・自宅練習がメインの人
ムスタングベースは音が柔らかく、耳への当たりも優しいため、家での練習や宅録にぴったりです。
音量を抑えてもニュアンスが出しやすく、「小さな音でもしっかり演奏してる感じがする」という声もあります。
また、軽くて持ち運びしやすいので、宅録用の機材が多い環境でも邪魔になりません。
座って練習する際もバランスが良く、安定して構えられるのも大きなポイントです。
夜間の練習や、アパートなど音の配慮が必要な環境でも、ムスタングは心強い相棒になってくれるでしょう。
おすすめのムスタングベース5選

ムスタングベースには、初心者からプロまで幅広いプレイヤーに対応する多彩なモデルがあります。
ここでは、特に人気の高い5つのモデルを厳選し、それぞれの特徴や魅力を詳しくご紹介します。
Fender Player II Mustang Bass PJ
Fender Player II Mustang Bass PJは、ショートスケールながらも多彩な音作りが可能なモデルです。
アルダー材のボディに、モダンCシェイプのメイプルネックを採用し、快適な演奏性を実現しています。
ピックアップには、プレシジョンベースとジャズベースのAlnico Vピックアップを搭載し、3ウェイのトグルスイッチで多様なサウンドを切り替えることができます。
このモデルは、幅広いジャンルに対応し、特にポップスやロックなどでその真価を発揮します。
Fender American Performer Mustang Bass
Fender American Performer Mustang Bassは、アメリカ製の高品質なモデルで、プロフェッショナルな演奏者にも支持されています。
アルダー材のボディに、モダンCシェイプのメイプルネックとローズウッド指板を組み合わせ、快適な演奏性を提供します。
ピックアップには、Yosemiteシリーズのスプリットコイルとシングルコイルを搭載し、Greasebucketトーンシステムにより、不要な高音を抑えつつも明瞭なサウンドを実現しています。
多様な音楽スタイルに対応できる柔軟性が魅力です。
Fender Vintera II 70s Mustang Bass
Fender Vintera II 70s Mustang Bassは、1970年代のヴィンテージスタイルを再現したモデルです。
アルダー材のボディに、7.25インチラジアスのローズウッド指板とエイリー70s Cシェイプのメイプルネックを採用し、クラシックな演奏感を提供します。
ヴィンテージスタイルのスプリットコイルピックアップを搭載し、温かみのあるトーンが特徴です。
ヴィンテージデザインと現代の演奏性を融合させた一本です。
Fender JMJ Road Worn Mustang Bass
Fender JMJ Road Worn Mustang Bassは、ベーシストのジャスティン・メルダル=ジョンセンとのコラボレーションモデルです。
アルダー材のボディに、9.5インチラジアスのローズウッド指板とCシェイプのメイプルネックを採用し、快適な演奏性を提供します。
カスタムスペックのスプリットコイルピックアップを搭載し、パンチのあるウォームなトーンが特徴です。
ロードワーン仕上げにより、ヴィンテージ感あふれる外観を持ち、ステージ映えする一本です。
Squier Classic Vibe 60s Mustang Bass
Squier Classic Vibe 60s Mustang Bassは、手頃な価格でヴィンテージスタイルを楽しめるモデルです。
ナトー材のボディに、9.5インチラジアスのインディアンローレル指板とCシェイプのメイプルネックを採用し、快適な演奏性を提供します。
ヴィンテージスタイルのスプリットコイルピックアップを搭載し、温かみのあるクラシックなトーンが特徴です。
初心者から中級者まで、幅広いプレイヤーにおすすめの一本です。
ムスタングベースの中古を買うポイント

ムスタングベースは中古市場でも人気がありますが、購入する際には注意すべきポイントがいくつかあります。
新品と違って状態に個体差があるため、チェックを怠ると後悔してしまう可能性も。
ここでは、中古のムスタングベースを選ぶときに確認しておきたい重要なポイントを紹介します。
ショートスケールか確認する
ムスタングベースの魅力は「ショートスケール」という短いネックにあります。
中古市場では、見た目が似ている他のモデルや、改造されたベースが混じっていることもあるため、必ずスケール長(約30インチ)を確認しましょう。
ショートスケールであることをしっかり確認することで、ムスタングベース特有の弾きやすさや音の個性を味わうことができます。
ネックの反りやねじれがないか
中古ベースで特に注意したいのが、ネックの状態です。
ムスタングベースはショートスケールゆえにネックが短く、反りやねじれがあると演奏性に大きく影響します。
指板を横から見て真っすぐかどうか、フレットの端が浮いていないかなどもチェックしましょう。
ネックのトラブルは修理に費用がかかるので、最初にしっかり見極めることが大切です。
ナットやフレットの減り具合
ナットやフレットの摩耗具合も、音や弾きやすさに関わる大事なチェックポイントです。
ナットが削れていると開放弦の音がビビったり、チューニングが不安定になったりします。
また、フレットが大きく減っていると音詰まりの原因になったり、交換が必要になることも。
目視や試奏で状態を確認し、調整が必要かどうかを見極めましょう。
オリジナルパーツかどうか
ヴィンテージモデルや旧仕様のムスタングベースの場合、オリジナルパーツが残っているかどうかは価値に大きく影響します。
ピックアップやブリッジ、ペグなどが交換されていることもあるので、パーツの状態や年代との整合性を確認しておきましょう。
完全オリジナルであるほどコレクション価値は高まり、音の傾向も安定しています。
製造国・シリーズを見極める
同じムスタングベースでも、製造国やシリーズによって品質やサウンドに違いがあります。
USA製は品質が高く価格も上がりますが、日本製やインドネシア製のモデルもコストパフォーマンスに優れています。
シリアルナンバーやヘッドのロゴ、細部の仕上げなどを見て、どのシリーズかを見極めることで、納得のいく選択ができます。
ムスタングベースを改造するコツ

ムスタングベースはそのシンプルな構造から、改造やカスタムがしやすいモデルとしても人気です。
自分の好みに合わせて音や見た目を調整することで、さらに愛着の湧く一本になります。
ここでは、初心者でも比較的チャレンジしやすい改造ポイントを5つ紹介します。
まずは配線から手をつける
配線の見直しは、音質やノイズ対策に大きな効果があります。
特に中古モデルでは、長年の使用で劣化していることもあり、はんだが緩んでいたり接触不良を起こしている場合もあります。
よりクリーンな信号を得るために、配線材を質の良いものに交換したり、導電塗料でシールド処理を追加するのも効果的です。
音がはっきりして、扱いやすさもアップします。
ピックアップ交換で音を変える
ムスタングベースのサウンドキャラクターに変化を加えたいなら、ピックアップの交換が効果的です。
例えば、より太くて力強い音が欲しいならハムバッカータイプを、クリアで繊細な音を目指すならシングルコイルの高性能モデルがおすすめです。
自分の好きなジャンルに合わせてピックアップを選ぶことで、音作りの幅が大きく広がります。
音の個性をしっかり出したい人にはぴったりの改造です。
ブリッジを安定したものに交換
ブリッジは弦の振動をボディに伝える重要なパーツです。
ムスタングベースの純正ブリッジはシンプルな構造ですが、人によっては弦落ちやピッチの安定感に不満を感じることもあります。
より安定したチューニングや弾き心地を求めるなら、ハイマスブリッジなどへの交換がおすすめです。
演奏の安心感が高まり、音の輪郭もシャープになります。
弦を変えてテンションを調整する
ムスタングベースはショートスケールのため、標準的な弦ではテンションが緩く感じられることがあります。
よりタイトな弾き心地を求めるなら、ショートスケール用のヘビーゲージ弦に交換するのが効果的です。
また、弦の素材によっても音の明るさや柔らかさが変わるため、自分好みのサウンドを探す楽しみもあります。
ちょっとした変更で、驚くほど弾きやすさが変わることも。
ピックガードを交換して見た目を一新
ピックガードの交換は、楽器の印象を手軽に変えられる楽しいカスタムです。
ムスタングベースには様々な色やデザインのピックガードが販売されており、自分だけの一本に仕上げることができます。
透明やべっ甲柄、ミントグリーンなど、ルックスの印象がガラッと変わるので気分も上がります。
見た目にこだわりたい人にとっては、最も取り組みやすいカスタムと言えるでしょう。
ムスタングベースにはフラットワウンドが合う?

ムスタングベースに合う弦としてよく名前が挙がるのが「フラットワウンド弦」です。
この弦は表面が滑らかで、サウンドは柔らかく落ち着いたトーンになるのが特徴です。
ムスタングベースが持つウォームでまろやかな音と相性が良く、特にポップスやジャズ、R&Bなどのジャンルではその魅力を最大限に引き出せます。
また、指で弾いたときにアタック音が穏やかになるため、やさしくて耳に心地よいベースラインを作りたい人にもぴったりです。
さらに、弦と指の摩擦が少ないため、演奏中のスライドがスムーズに決まりやすく、初心者にとっても扱いやすい選択肢です。
ただし、音の輪郭がやや丸くなるため、バキッとした存在感を求める人にはラウンドワウンドの方が向いているかもしれません。
最終的には自分の好きな音を探しながら、試してみるのが一番です。
ムスタングベースにはどんなケースが良い?

ムスタングベースはショートスケールで一般的なベースよりもコンパクトなため、専用のケース選びがとても大切です。
標準サイズのベース用ギグバッグでは中で動いてしまい、衝撃からしっかり守れないことがあります。
できるだけムスタングベース専用、もしくはショートスケール対応と明記されたケースを選ぶのが安心です。
軽量で持ち運びしやすいソフトケースは普段使いに便利ですが、頻繁に持ち歩く人や外での演奏が多い場合は、クッション性の高いセミハードケースやハードケースもおすすめです。
内装の素材やネックサポートの有無などもチェックすると良いでしょう。
デザインやカラーにもこだわれば、おしゃれに楽器を持ち歩くことができます。
ムスタングベースの試奏体験談

筆者は普段ギターを弾いているのですが、バンドメンバーのベーシストが使っていたムスタングをスタジオで試奏させてもらったことがあります。
最初に手に取った瞬間、「軽っ!」と感じたのが印象的でした。
ネックも細めで短く、手の小さい筆者でも無理なく押さえられたのが驚きです。
音を出してみると、ギターよりも当然低音なのですが、その響きがまろやかで心地よく、耳に優しいトーンが印象的でした。
アタック感が強すぎず、全体的にまとまりのある音で、ポップスとの相性も良さそうだなと感じました。
当時、DTMのためにベースも何本か買って試していたのですが、ムスタングはその中でも軽くて弾きやすいと思います。
弾き心地は軽やかで、初めてでも構えにくさや重さのストレスがありませんでした。
「これなら自分でも弾いてみたい」と思えるほど、親しみやすい一本でした。
ムスタングベースの欠点を総括
記事のポイントをまとめます。
- ムスタングベースはショートスケールで手が小さい人にも扱いやすい
- 柔らかくウォームな音色が特徴でポップスや歌モノと相性が良い
- 軽量でコンパクトなため持ち運びや取り回しに優れている
- 初心者にも扱いやすいシンプルな設計で直感的に弾ける
- 低音がやや物足りず重厚な音を求める人には不向きな面もある
- 弦のテンションが緩く感じられプレイスタイルによって好みが分かれる
- 音作りの幅が狭くエフェクターやアンプによる補正が必要なことも
- フラットワウンド弦との相性が良く落ち着いた音を出しやすい
- ヴィンテージや限定モデルは中古市場で高値がつく傾向がある
- 使用アーティストが多く音楽ジャンルやスタイルの幅が広い